【共同リリース】MAXI-NICER連携で捉えた悪魔のまばたき―アルゴルで発生した巨大恒星フレア食の観測に成功―

2025.12.19

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概要
 京都大学の中山 和哉 大学院理学研究科修士課程学生、千葉大学の岩切 渉 助教、京都大学の榎戸 輝揚 准教授、井上 峻 理学研究科博士課程学生、理化学研究所の三原 建弘 専任研究員、NASAゴダード宇宙飛行センターのKeith Gendreau研究員、Zaven Arzoumanian 研究員、濱口 健二 研究員、コロラド大学の野津 湧太 研究員のグループは、国際宇宙ステーションに搭載された日本の全天X線監視装置MAXI(※1)およびNASAのX線望遠鏡NICER(※2)の国際連携観測により、悪魔の星と呼ばれる食変光星アルゴル(※3)で発生した太陽フレアの〜10万倍の明るさのスーパーフレア(※4)をMAXIで捉え、フレアの食(奥にいる星からの光を手前にいる星が隠すこと)による減光をNICERで捉えることに成功し、その発生位置とサイズを特定することに成功しました。
 いつ起こるともわからない突発現象であるフレアの食は、これまでは偶然観測された例しかありませんでしたが、今回は事前に突発現象に対する観測体制を整えていたMAXIとNICERによって初めて狙い通りにフレア食を観測することに成功しました。恒星のスーパーフレア現象は、太陽とは違い恒星が非常に遠くにあるためその大きさや位置を決めるのが困難です。今回観測されたフレア食はその減光のタイミングからこれらの情報を推定でき、スーパーフレアの大きさは太陽の直径に匹敵するほど巨大なサイズであることがわかりました。この成果は未解明であるスーパーフレアの発生メカニズムに対して重要な示唆となります。
 本研究成果は、2025年12月18日午前10時(GMT)に米国の国際学術誌「The Astrophysical Journal」に掲載されました。

(credit:ひっぐすたん)

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